検査の知識
検査の知識
検査項目 | 単 位 | 基準値 | 測定方法 | 解 説 | |
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身 体 計 測 |
基準体重 | BMI (Body Mass Index) | Body Mass Index(BMI)で計算します。 標準体重=(身長(m))2×22 | ||
肥満度 | % | -10~10 | (体重実測値-標準体重)÷標準体重×100 | ||
体脂肪率 | % | 生体インピーダンス法 | 生体インピーダンス法で体脂肪量を測定します。 | ||
眼圧検査 | mmHg | 10~20 | 非接触式 | 房水と硝子体とで構成される眼球内容の静圧水を調べて緑内障等の病気を発見します。(眼圧が変化しない緑内障は発見できません) | |
血 液 学 的 検 査 |
白血球数 | /μL | 4,000~9,000 | 電気抵抗法 | かぜなど、細菌感染症の急性期で高値となります。 |
赤血球数 | 104/μL | 男 430~570 女 390~520 |
電気抵抗法 | 貧血では低値となり、多血症では高値となります。 | |
血色素量 | g/dl | 男13.0~17.0 女11.5~15.5 |
シアンメトヘモグロビン法 | 赤血球中の成分で、体内に酵素を運ぶ重要な働きをしています。貧血の診断に一番有力な検査です。 | |
ヘマトクリット値 | % | 男38.0~50.0 女34.0~45.0 |
計算 | 血液中に占める赤血球の容積率を表します。 | |
MCV(平均赤血球容積) | fl | 83~97 | 電気抵抗法 | 計算式により、個々の赤血球の平均容積を表します。 | |
MCH(平均赤血球血色素量) | Pg | 28~34 | 計算 | 計算式により、個々の赤血球に含まれる平均の血色素量を表します。 | |
RDW | % | 11.5~14.5 | 赤血球の大きさの分布幅を表します。 | ||
血小板数 | 104/μL | 14~34 | 電気抵抗法 Rees-Ecker法 |
出血性素因のある病気や、血液の病気などがわかります。 | |
脂 質 代 謝 |
総コレステロール | mg/dl | 130~230 | 酵素法 | 血液中の全てのコレステロールを測定したものです。動脈硬化症や肝機能の関係を知るのに役立つ検査です。 |
HDL-コレステロール | mg/dl | 男31以上 女36以上 |
直接酵素法 | 俗に善玉コレステロールといわれています。低すぎると動脈硬化の危険が高まります。 | |
LDL-コレステロール | mg/dl | 140未満 | 酵素的測定法 | 計算式で求めています。俗に悪玉コレステロールと言われています。 | |
トリグリセライド | mg/dl | 30~150 | 酵素法 | 脂質、糖質、アルコール等の取り過ぎや、肝臓、胆道疾患で高値になります。 | |
動脈硬化指数 | 4.0以下 | 計算 | 総コレステロール中のHDL-コレステロールの割合を計算することにより、動脈硬化の程度を予測できます。 | ||
循 環 器 |
血圧 収縮期血圧 拡張期血圧 |
mmHg mmHg |
130未満 85未満 |
病院や、診療所で測るときより安静時間が長いため、少し低めの値になる傾向があります。 | |
心胸郭比 | % | 53以下 | 胸部直接Xpより計測 | 胸部X線写真で心臓の横径と胸郭の比を算出したもので、高血圧、心臓病や肥満で高値となります。 | |
心陰影(胸部X線) | 胸部直接Xpより読影 | 胸部X線で心臓や血管の形状などを調べます。 | |||
心電図 | 異常なし | 安静時心電図 | 不整脈の有無や、狭心症、心筋梗塞、心筋症などの虚血性変化や心室肥大の有無などがわかります。 | ||
眼底検査 | SoHo,S1H1 | 両眼撮影 | 細動脈、静脈の状態を観察し、動脈硬化性変化や高血圧性変化、糖尿病性変化を見ます。 | ||
呼 吸 器 |
胸部X線 | 異常なし | 直接撮影 | 胸部のレントゲン撮影で、がん、結核、炎症性疾患、肺のう胞等の病気を発見します。 | |
肺機能検査 | フロボリューム | 呼吸器疾患の換気障害を発見します。 | |||
消 化 器 |
食道・胃・十二指腸・X線 | 異常なし | 直接撮影 | 食道から胃、十二指腸までを造影剤(バリウム)によるX線撮影で、形態、通過状態、粘膜の荒れやただれ、潰瘍、がん、ポリープなどを診断します。 | |
腹部超音波検査 | 異常なし | 周波数の高い音を利用して、その反射波から肝臓、胆のう、腎臓等の病気を発見します。 | |||
便潜血反応 | (-) | ラテックス法 | 便に含まれる血液を検査するもので、全消化管、主に大腸の早期がん等の発見に役立ちます。 | ||
寄生虫卵 | (-) | 便を顕微鏡下で観察し、腸内寄生虫の寄生原虫の有無を調べます。 | |||
血清アミラーゼ 尿アミラーゼ |
IU/L IU/L |
30~110 500以下 |
BG5 P-RATE法 BG5 P-RATE法 |
膵臓から分泌される消化酵素で、膵臓に炎症などが起こると血中、尿中に通常より多くでてきます。 | |
肝 機 能 |
GOT GPT |
IU/L IU/L |
8~33 6~30 |
UV-RATE法 UV-RATE法 |
酵素の一つで、肝臓の細胞が壊れると血液中にでてきます。肝臓障害の程度がわかる検査です。 |
γ-GTP | IU/L | 0~40 | γ-GLU-DBHA-RATE法 | GOT・GPT同様に酵素の一つですが、特にアルコール感度が良いので飲酒の肝臓への影響度がわかります。 | |
ALP | IU/L | 60~240 | GSCC法 | 酵素の一つで、心臓、肝臓、悪性腫瘍、胆道系などの疾患で高値にでます。 | |
ZTT | KU | 3~12 | 硫酸亜鉛混濁法 | 血清中の蛋白の性質を調べ肝臓障害の程度を知る検査で、慢性肝炎などで高値になります。 | |
LDH | IU/L | 180~370 | UV-RATE法 | 酵素の一つで、心臓、肝臓、悪性腫瘍、胆道系がんなどの疾患で高値にでます。 | |
コリンエステラーゼ | △PH | 0.7~1.4 | 3.4-ジヒドロキシベン ゾイルコリン-RATE法 | 肥満、脂肪肝、糖尿病、腎臓病、甲状腺疾患などで高値となり、肝疾患、結核、貧血では低値となります。 | |
総ビリルビン | mg/dl | 0.4~1.4 | 酵素法 | 胆石などによる黄疸や血液などの疾患がわかります。 | |
血清総蛋白 | g/dl | 6.5~8.2 | ビウレット法 | 血清中の蛋白の量を調べることで、栄養障害や肝臓病、腎臓病などの程度を知るのに役立つ検査です。 | |
蛋白分画 アルブミン α1グロブリン α2グロブリン βグロブリン γグロブリン M蛋白 |
% % % % % |
57.0~70.0 1.7~3.0 5.5~10.0 7.5~12.0 10.0~22.0 認めない |
セルロースアセテート膜電気泳導法 | 血清中の蛋白の内容を分類したものです。肝臓病や腎臓病がわかります。 | |
HBs抗原 HBs抗体 |
(-) (-) |
酵素免疫測定法 IEIA法 |
B型肝炎ウイルスの感染およびそれに対する免疫の有無を調べる検査です。 | ||
HCV抗体 | (-) | IEIA法 | C型肝炎ウイルスの感染の有無を調べる検査です。 | ||
腎 ・ 泌 尿 器 |
尿蛋白定性 尿蛋白定量 |
(-) (-) |
スルホサルチル酸法 煮沸法(スルホで(+)の場合) |
尿中に排泄される蛋白を調べます。肝臓病や尿路疾患、糖尿病の合併症である腎疾患などがわかります。 | |
尿潜血 | (-) | 試験紙法 | 尿に血液が混じってないかを調べます。女性では病気でなくても陽性になる率が高めです。 | ||
尿沈渣 | (-) | 顕微鏡法 | 尿を遠心沈澱したものを顕微鏡で観察し、白血球、赤血球、円柱細胞などを数えたものです。どこからか出血があれば赤血球が多く見られ、尿路で感染が起こっていれば白血球が多く見られます。このほかにも蛋白と併せて腎臓の病気を予測できます。 | ||
クレアチニン | mg/dl | 男0.6~1.0 女0.4~0.8 |
酵素法 | 筋肉の中に含まれるクレアチンの最終産物で、腎臓の機能がわかります。 | |
尿素窒素 | mg/dl | 8~20 | ウレアーゼGLDH法 | 腎臓病や蛋白質の取り過ぎで高値になります。 | |
尿酸 | mg/dl | 男3~7 女2~6 |
ウリカーゼPOD法 | 尿酸値が高くなると尿酸結晶が関節等に沈着し、激痛を起こす痛風発作が起きやすくなります。 | |
ナトリウム カリウム |
mEg/l mEg/l |
135~150 3.5~5.0 |
イオン選択電極 イオン選択電極 |
体内のミネラル類で心臓、腎臓、骨、内分泌疾患、下痢、おう吐、脱水等で異常値となります。 | |
糖 尿 |
空腹時尿糖 空腹時血糖 |
mg/dl | (-) 70~109 |
試験紙法 酵素電極法 |
糖尿病の有無を調べる検査です。尿糖は尿中に糖が出ているかを調べ、血糖は血液中の糖を測定する検査です。肥満、運動不足、ストレス等でも異常値がでることがあります。 |
HbA1c | % | 4.3~5.8 | HPLC法 | 血液中のヘモグロビンと糖が結合する性質を利用した検査で、過去1~3ヵ月前の血糖値の平均的予測ができます。 | |
血 清 学 的 検 査 等 |
梅毒血清反応 | (-) | ガラス板法(定性) TPHA法(定法) |
梅毒反応の有無を調べる検査です。梅毒でなくとも陽性に出ることもあります。また、治療が終わっていても反応だけは残り陽性に出ることもあります。 | |
リウマチ因子 | U/ml | 0~25 | TIA法 | リウマチ性の疾患で高値になります。リウマチでなくとも高値となることもあります。 | |
シアル酸 | mg/dl | 49~75 | 酵素法 | 急性および慢性の炎症性疾患で高値となります。 | |
CRP | mg/dl | 0.3以下 | NIA法 | 急性の炎症性疾患で高値となります。 | |
婦 人 科 |
乳がん | 異常なし | X線検査 (マンモグラフィー) |
乳房専用のレントゲンで撮影を行います。 乳房の片方をX線撮影台の上にのせて、透明な板ではさんで撮影します。触診ではわかりづらいしこりの大きさや状況がわかる検査です。 |
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異常なし | 超音波検査 (エコー) |
胸にゼリー状の液体を塗り、プロープ(探触子)を直接胸にあてて、乳房内部をコンピューターの画像で検査します。しこりの大きさや硬さなどがわかる検査です。 | |||
子宮がん | クラス1(Ⅰ) | 頸部細胞診 | 子宮頸部を綿棒やブラシなどでこすって細胞を採取する検査です。 |